ニコ技深圳観察会感想・まとめ2

全体の感想として。。。

中国は3040年前の日本ではないかと感じました

偽物、コピー品が氾濫して知財とかコンプライアンスを完全に無視している

海外マーケットを意識している会社(今回見学したKandao等)

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は特許も取っていますし研究開発も行っていました。

ただ国内マーケットが巨大すぎる事でコピー品やそこそこの質の会社がそれないの規模で生き残れていると感じました。やはり人口は力です

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また中国を卑下することで自国を上に見せたいというメディアの意図もあり偽物、コピー品大国という側面しか取り上げていないのではないかと思います。

ただこの意見もあくまで経済特区深センしか見ていないので全体としては合っているのかもしれません

中国の人たちはマーケットのある場所に全力で集まって作り、売る。その中で生き残った一部の会社は世界的に見ても見劣りしない国際的企業といって間違いないでしょう

膨大な数のトライ&エラーの結果ではないでしょうか

 

日本人が中国企業はまだまだと、どうせ大したことない技術なんだと飲み屋で愚痴っている暇があったらもっと時間の使い方を変えるべきだと思います

Wechatpay、高徳地図等あったら便利すぎる機能が満載ですがほとんどの日本人は把握していないし素人もしていません(自分も含め)

猛烈に働く2030代の中国の若者を見ていると日本人が以前持っていた豊かになろうという意気込みを見せられ自分ももっと頑張らなくてはと再確認できました

テンセントは普通に週6日 12時間労働なんて今の日本ではブラックと炎上してしまいますね

 

中国の真似をする必要は無く、一人が熱気に当てられて日本もこうあるべきと叫んだ所でなかなか変わらないと思います。ただ知らないのなら見た方がよい

隣の国の自分と変わらない世代がどう働いているのか?

それを見て自分は今後のキャリアをどのように考えていくのか

居酒屋で上司や会社の悪口を言う事も悪いとはいいませんがその時間とお金を他の方面へ向けても良いのではないかと思います

やりたい事や夢が無い若者にこそこの我武者羅に成長中の街を見てもらいたいと思います

 

自分もエンジニアとして華強北で何か作りたいと思いましたが広すぎました

過ぎたるは及ばざるが如しとありますが選択肢が多すぎました

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部品は確かに日本の半値以下と安いです。自分も買いました!Fedexで送りました!

作りたい物が明確にある人にはお勧めできますがパワーポイントのアイデア程度で絞り込めていない人や何か面白いものがないかという程度でしたら迫力に圧倒されて終わってしまうと感じました

最後になりましたが今回企画してくださった高須さん

経済と歴史を織り交ぜてわかりやすく説明していただいた伊藤先生

お忙しいところ会社や取引先の説明に時間を割いてくださったJENESISの藤岡社長

ありがとうございました。

ニコ技深圳観察会感想・まとめ1

今回参加したニコ技深セン観察会の感想を書きたいと思います

ニコ技深セン観察会の概要ですが現地集合、現地解散、自己責任での参加が前提となります

時期的に期末で平日ということもあり本当に行きたい人のみ参加が前提の大人の社会科見学です

 

電気街(華強北)沙井商城等の感想は今回割愛したいと思います

 

見学場所ですが

1日目:基板製造工場、プラ成型工場、金型工場、組立工場、

2日目:スタートアップ各社(ロボホンっぽいいかにも中国!的なものからKandaoのように非常に良く作りこまれた会社まで)、スタートアップ集積地、Seeed

3日目:HAXSegMakerでのワークショップ

 

行く前までの深センに対するイメージとして人が多くうるさい

コピー品等が多く出まわている、WeChatpay等支払いアプリがあるが日本のNFCを用いたシステムの方が使いやすい等等

まあ中国は後進国というイメージを持っていました

結果として良い意味でイメージを打ち壊され、モチベーションを上げることが出来たと感じています

 

今回の観察会はただ街を見て説明をしてもらい、歩き回って華強北と羅湖でガジェットとパチモンを買うというありふれたツアーではなく企業を周って街の成り立ちを学ぶと共に様々なサービスを見て一緒に体験(遊ぶ?)事ができました

 

街の様子から

まず熱気がすごい!売る側、買う側共に活気があり景気が良いという事は素晴らしく何かいるだけで楽しくなりますね

昨年の経済成長率は深セン8%というのも納得しました

また人がゆったりとしていて中国人っぽくない(イメージ)収入の余裕は人に余裕を持たせるという事を実感しました

様々な地方から出稼ぎに来ること、外国人滞在者も多いことから食べ物も非常に美味しいと感じましたし安い!でもスタバは日本より高い(笑)

あと観察会での食事は40人以上の大所帯ですがほとんどの店で予約なしで問題なく入れることがデカい国なんだと常識を壊されました

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エコシステムってものを体感した

最近多くの書物やニュースでエコシステムを構築する、エコシステムが機能する環境…

という言葉を感じましたが深センを見て理解しました

華強北の部品街の裏には発送オフィスがあり夕方から夜間にかけて大量の荷物を送りだしています。その周囲には梱包用品店があり雑多なイメージですが完成された街でした

南山地区は世界的企業といっていいTencent百度の本社ビルがありその中間にスタートアップオフィス街(丸の内と八重洲を足したくらいの規模)があり毎日何かのイベントが複数行われているようです。

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中には法律事務所、アクセレーターやインキュベーターオフィスが満載

オフィス街の外周は中国各地の大学のサテライト校舎が点在しており

学生のうちに起業→投資してもらう→大手に買収される

という起業成功物語を1地区に集約し水戸黄門のようにパターン化してしまう究極に無駄を省いたモデルがここ深センのエコシステムだと感じました

言い方を変えると良い豚の子を選別して、上手に育て、最後には美味しくいただきます!

という養畜場といえるのではないでしょうか

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党と一緒に起業しよう! ネタですよね(笑)

 

日本人が経営する深セン企業 JENESIS

今回お忙しいところ時間を割いていただいた藤岡さんが経営するEMS企業

設備も十分日本の基準をクリアできるよう手が入れられておりました

アフターフォローも行って日本人に対応してもらえ様々なタブレット機器を開発していて価格は中国レベルとなればメリットも大きいと感じます

また他との差別化として客側への選択肢を提示する。当たり前のようで日本企業も忘れがちな事を行っていました

深センを熟知し、自分たちがどの様な物を作っているかしっかり理解していないと出来ない優良な企業という感想でした

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自己紹介

— 自己紹介

tanabe917といいます

日本でリチウムイオンバッテリー関係の会社を起業し、設計、製造から技術的なコンサル等も行っています。

antenna1st.com

もう若くはないですが年を取ってもフットワークを軽くして今!という時はすぐ動けるよう気持ちをいつまでも少年でいたいオッサンです

電子機器や回路制作が好きな為、(得意かというと。。。普通です)趣味と実益を兼ねた仕事として行っております。一部作品?会社の余りものを利用した製作品や記事をブログに投稿しています

https://antenna1st.com/blog/

台湾ではなく中国本土へ仕事を依頼したいと考えているのですがどこを取っ掛かりにしたら良いのか、問題が起きた時の対応をどうするのか

また違った方の視点で意見を交換する場所があれば参加したいと考えていたので今回応募をしました
 — 何やってお金を稼いでるか

バッテリーの販売、バッテリーパックの開発等、また大学と共同で衛星へのバッテリー搭載研究も行っており、実績を上げております。新しいものや夢と言ったら変ですが、自分が面白いと感じたものには協力を行えるよう努めているつもりです
 — 好きで作ったもの、好きでやってること

電子回路制作等が好きなので趣味と仕事がほぼ同じといった感じでしょうか

趣味で基板制作やケース加工等も行います。アマチュア無線等にも昔興味があったためハムフェアで12.4V変圧機能付きUSBケーブルを出したところ結構評判が良かったです

また、趣味や仕事を通じて今まで出会えないような方々との出会いとそこから生まれる可能性が見えた時が趣味?仕事をやっていて一番良かったと思える瞬間だと思います

仕事は大変と一言では言い切れない事がありますがそれ以上に良い経験をさせてもらっていると感じます
 — ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ およびメイカーズのエコシステム感想 

ハードウエアのシリコンバレーの感想

仕事柄、中華系の会社と取引する機会があります

金属加工や量産で台湾系EMSを使用していますが、ハードウェアのシリコンバレーを読み彼らの分業が理解できました

社長から製造工場、設計会社を見せてもらいBOMまですぐ出てくる。当初は聡明な人と思ったが自分の商品と言いつつ貼牌だった、設計会社もデザインハウスであったり、設計会社が倒産、張込んで探す部分では自分も出荷が遅れ納期が間に合わないため、相手の会社に泊り込んで社員や社長からあきれられた記憶を思い出しました。(もうやりたくないですが)

ただ外部の人が中華系コミュニティに入るのはハードルがある、騙されるリスク等を考えると良いデザインハウスを知っていること、紹介の力が何より強いと感じています

また中国では量が質に変わる 中国製品を見ていてICの仕様書で規定されていない使い方をしている例も見てきました。やはり様々な会社の設計を受け、ノウハウを蓄えたことは非常に強いと感じます。これをどう生かすかは発注者側にかかっていると感じます

メイカーズの感想

近年3Dプリンタ等が出てきており、それが個人でのモノづくりを加速させているという意見はたしかに思います

中国での話はとても参考になりましたが可能ならば何故アメリカで3Dプリンタが流行ったのかから記載してあればより良い流れの把握につながったかと思います

シンガポールの事例もとてもわかりやすく理解できました

個人的な意見として、USでは製造業が(個人の金属加工業等)がほぼ無いため、3Dプリンタ等を使用しないとハードを作れないのではないかと考えます

まだ日本は2次産業が淘汰された訳ではないため、そこまで3Dプリンタが流行らないのではないかと感じます。大田区等に行けば個人の試作を作ってくれる職人はいますし。。。あとは熱意があれば職人の方々は動いてくれます(自分の経験も含め)

素晴らしい技術を持った方々がいますがどう売ればいいのかわからないというのが現場の意見だと恩師が言っていました。

彼は個人の製造業の方にアドバイスやセミナー等を行っているそうです

実際日本はまた別の道を見つけるのか、ただ衰退していくのかはわかりませんが、中国を見ていると人口は力だという事をつくづく感じます。清濁混じっていても裾野が広いことは全体のレベルを引き上げるうえでとても重要かと感じました